はじめの言葉

原作者 カルボレン
登場キャラ数 男:1女:1無0
ジャンル 日常
セリフ数 68
目安時間 7分
利用規約 配布元とURL書いてってことです
提供元 音楽作品を制作している1次創作グループ
メディア  
登場人物 性別/声 セリフ数 その他
井野上 泰希
(いのうえ たいき)
37  
関崎 千咲
(せんざき ちさき)
31  

サークル情報

001 井野上泰希 「あの・・・僕と友達になってくれませんか」
002 井野上泰希 「僕はわざとクラスメート全員に聞こえるような大きな声でこう言った。
なぜこんなことをしたのか・・・それは、少し前に遡る。
僕が帰り道、一人で歩いている時の話だ・・・」
003 井野上泰希 「あ~あ、今日も結局誰とも話せなかったな・・・
最初の一言・・・なんて言えばいいのかわからないよ・・・」
004 関崎千咲 「ねぇねぇ♪今帰り~?」
005 井野上泰希 「ふぇっ!?だっ・・・誰?」
006 関崎千咲 「誰はひどいんじゃない?私は同じクラスの関崎千咲(せんざきちさき)ちさりんって呼んでいいわよ?」
007 井野上泰希 「え・・・ちっ・・・ちさりん?」
008 関崎千咲 「そう、ちさりん♪」
009 井野上泰希 「でもさ、なんで初対面なのにあだ名なの?どうして僕に話しかけてくれたの?どうして・・・」
010 関崎千咲 「うるさいぞ!この根暗め♪」
011 井野上泰希 「ね・・・根暗!?」
012 関崎千咲 「やめやめ♪こんな話をしたって面白くないぞ~?出会いは突然にやってくるのだ!
帰り道でクラスメートと出くわした・・・それで話しかけない理由ある?」
013 井野上泰希 「ん・・・でも・・・」
014 関崎千咲 「ん?なに?」
015 井野上泰希 「でも僕はネガティブな人間で、話しかける勇気がないから・・・君と今、話すことすら・・・」
016 関崎千咲 「もう・・・まずは私の目を見なさいよ!」
017 井野上泰希 「ひっ!?」
018 関崎千咲 「ひっ!?じゃないの!ほら・・・よ~く私の目を見て!」
019 井野上泰希 「ん・・・はっ恥ずかしいよ・・・」
020 関崎千咲 「あっ顔、真っ赤だよ♪面白いなぁ♪」
021 井野上泰希 「人をおもちゃにしないでくださいよ・・・」
022 関崎千咲 「あはは、ごめんごめん♪あっ、ところでさ・・・」
023 井野上泰希 「はい?なんですか?」
024 関崎千咲 「名前は?」
025 井野上泰希 「へっ?名前?」
026 関崎千咲 「そうそ♪あなたの名前♪名前だよ♪顔はパッと見で覚えているんだけど名前まではねぇ・・・」
027 井野上泰希 「そっか・・・じゃ・・・僕、自己紹介したほうがいいのかな・・・」
028 関崎千咲 「うん♪」
029 井野上泰希 「ん・・・ぼっ僕は泰希(たいき)・・・
井野上泰希(いのうえたいき)といいます・・・あのぉ・・・その・・・」
030 関崎千咲 「もう・・・なによ!?男ならはっきり言いなさいよ!」
031 井野上泰希 「えっと・・・友達に・・・」
032 関崎千咲 「友達になって欲しいの?」
033 井野上泰希 「う・・・うん・・・」
034 関崎千咲 「うん、いいよ~なってあげる♪」
035 井野上泰希 「・・・本当ですか?・・・じゃっじゃぁ・・・よろしくです!」
036 関崎千咲 「おっ、少し明るくなったじゃん?
・・・うんうん、泰希くん泰希くんと・・・じゃたいちゃんね♪よろしく、たいちゃん♪」
037 井野上泰希 「はい・・・お願いします・・・ちっ・・・千咲さん♪」
038 関崎千咲 「ちさりんでしょ?ね♪たいちゃん?」
039 井野上泰希 「はっ・・・はい、ちさりん・・・さん・・・」
040 関崎千咲 「さんはいらない!」
041 井野上泰希 「はっ・・・はい・・・」
042 井野上泰希 「こうして、僕らは友達になった。
千咲さんはとても大らかで優しくて、時に厳しく色んなことを僕に教えてくれた。
そして、僕の友達は少しづつ、だが確実に増えていった。
でもそれに反比例するように彼女の僕に対する対応は冷たくなっていった・・・そして・・・」
043 井野上泰希 「ちさりんさん~!待ってくださいよ~・・・」
044 関崎千咲 「さんはいらないっていつも言ってるじゃないの・・・なんで治らないの?」
045 井野上泰希 「ん・・・ごめんなさい・・・」
046 関崎千咲 「まぁいいわ、帰りましょう?」
047 井野上泰希 「うん♪そうだ♪今日もまた一人、友達が出来たんだー♪」
048 関崎千咲 「知ってるわよ、同じクラスにいるんだから。あなた、だいぶ積極的になってきたんじゃない?」
049 井野上泰希 「うん♪みんな、ちさりんが僕に友達の作り方を教えてくれたからだよ♪ありがとう♪」
050 関崎千咲 「えぇ、どういたしまして・・・」
051 井野上泰希 「でね♪今日はその友達と遊ぶ約束をしてきたんだ♪頑張ったでしょ?」
052 関崎千咲 「・・・はっ・・・これでいいのよ・・・」
053 井野上泰希 「え?ちさりん?どうしたの?急に立ち止まったりして・・・」
054 関崎千咲 「・・・そろそろ終わり・・・なのかもしれないわね・・・」
055 井野上泰希 「へっ?なんか言った?」
056 関崎千咲 「たいちゃん?私、今日であなたの友達・・・やめる」
057 井野上泰希 「へっ!?なっなんで!?どうして!?」
058 関崎千咲 「だって私は元々あなたのこと、友達だと思ってなかったもの・・・」
059 井野上泰希 「えっ!?えっ!?」
060 関崎千咲 「友達がいなくて寂しそうなあなたが憐れで可哀想だったから声をかけただけ・・・」
061 井野上泰希 「そんな・・・じゃぁあの時の・・・」
062 関崎千咲 「あの時?さぁ、忘れた・・・じゃさようなら・・・」
063 井野上泰希 「そっ・・・まっ・・・待ってよ!・・・僕を・・・僕を置いて行かないでよ!」
064 関崎千咲 「・・・いいわね、あなたには友達がいて・・・」
065 井野上泰希 「へっ!?今なんて?」
066 関崎千咲 「さようなら・・・」
067 井野上泰希 「この時まで僕には気づきもしなかった。
片隅で一人佇む千咲さん・・・千咲さんにも友達がいなかったことを。
だから僕は決心して、君に話しかけるのだ。はじめに言えなかった言葉を・・・」
068 井野上泰希 「あの・・・僕と友達になってくれませんか」
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