自殺と説得とカツ丼と

原作者 きなもち
登場キャラ数 男:3女:0無0
ジャンル ギャグ
セリフ数 67
目安時間
利用規約 配布元とURL書いてってことです
提供元 音楽作品を制作している1次創作グループ
メディア  
登場人物 性別/声 セリフ数 その他
原田
(はらだ)
26 自殺しようとしている男
大塚
(おおつか)
26 原田を説得しようとしている人
松原
(まつばら)
15 カツ丼が食べきれなくて困っている男

サークル情報

001 大塚 「自殺なんて馬鹿なことはやめるんだ!」
002 原田 「うるせぇ!関係ねぇ奴は引っ込んでろ!」
003 松原 「すいません。このカツ丼の残り、食べませんか?」
004 大塚 「結構です。関係ない事は無い!人が自殺しようとするのを、止めない理由があるものか!」
005 原田 「おい!近づくんじゃねぇ!」
006 大塚 「危ないからこっちに来なさい!さあ!」
007 原田 「止まれ!それ以上近づいたら飛び降りるぞ!」
008 松原 「遠慮せずに、カツ丼の残り食べていいですよ」
009 大塚 「いえ、本当に結構ですので。わかった。近づかない。ただ教えてくれ、どうして自殺なんかするんだ」
010 原田 「だからお前には関係ねぇだろ!」
011 大塚 「自殺するのは、理由を話してからでも遅くはないはずだ・・・なぁ、教えてくれ。どうして自殺するんだ」
012 原田 「・・・就職に失敗して、それをきっかけに愛する彼女も俺のもとを去って!
もう俺には何も残ってないんだよ!」
013 大塚 「何を言っている!君はまだ若い!これからがあるだろう!」
014 松原 「お腹いっぱいでもう食べられないんです。お願いします」
015 大塚 「私もお腹が減っていないのでお断りします」
016 原田 「これからなんかどうだっていい!もうここで死んじまったほうがマシだ!」
017 大塚 「・・・君が自殺する理由はわかった。でも、君にも家族がいるだろう!?」
018 松原 「じゃあ半分でいいので」
019 大塚 「本当に半分も食べられないぐらいなので、すいません。自殺なんかして、親御さんを悲しませていいのか!」
020 原田 「・・・だったらなおさらだ!俺なんか死んだ方がいいんだよ!」
021 大塚 「どうしてだ!?なおさらとは一体どういう意味だ!?」
022 原田 「これ以上母さんに迷惑かけるわけにはいかないんだよ!」
023 松原 「じゃあカツは僕が食べるのでご飯だけでも」
024 大塚 「お腹減っていないのにカツ丼のご飯だけをモリモリ食べる気にはなれません。
迷惑って、君が自殺する方が迷惑に決まっているだろう!」
025 原田 「母さんはずっと、俺の事を一人で育ててきたんだ!それなのに俺はその恩も返せない!」
026 松原 「お願いしますよ。僕一人じゃ食べきれないんです」
027 原田 「俺なんか死んだほうがマシなんだ!」
028 大塚 「でも私もお腹減っていないので、ちょっと無理です。死んだ方がいい事なんてあるわけないだろう!
もし君が自殺なんかしたら、お母さんを一生悲しませるだけだ!」
029 原田 「俺が!・・・俺がいなくなったら、母さんも俺の事考えなくてよくなる。
俺が母さんの負担にならなくて済むんだよ!」
030 松原 「4分の1だけでいいのでお願いできませんか?」
031 大塚 「実は私、お昼にカツ丼食べまして、お昼からまだ二時間しか経ってないんで、厳しいんですよ。
バカ野郎!君が自殺なんてしてみろ・・・お母さんは一日だって君の事を忘れる日はなくなる!
毎日心を痛めながら生きていくんだぞ!」
032 原田 「わ、分かった風な口きくんじゃねぇ!俺の事も、俺の母親の事も、何も知らないくせに!」
033 松原 「だったらせめて、一口だけでいいのでお願いします」
034 大塚 「じゃあ一口だけですよ」
035 松原 「ありがとうございます。そちらの方も協力してはいただけませんか?」
036 原田 「・・・ったく、一口だけだからな」
037 大塚 「私も君も、おんなじさ」
038 原田 「あ?どういう意味だよそれは」
039 大塚 「私もね、幼いころから母子家庭で育てられてきたんだよ」
040 原田 「て、適当なことばっか言ってんじゃねぇ!」
041 大塚 「あ、これ美味しいですね」
042 松原 「美味しいでしょう。だから調子に乗って2つも買っちゃったんですよ」
043 原田 「ほんとだ。うめぇな。なんかピリッとした辛みがクセになるというか」
044 大塚 「もしかしてこれ、山椒ですか?」
045 松原 「そうなんです。カツに山椒を混ぜ、さらに特製ソースで味付けがされた素晴らしい一品なんです」
046 大塚 「後ほどどこで買ったのか教えてください」
047 松原 「ええ、いいですよ」
048 原田 「俺も一口食べたんだから、俺にも教えろよ」
049 松原 「もちろんですよ」
050 原田 「これマジでクセになるな」
051 大塚 「本当さ、貧しい家庭だったけれど、母は一生懸命私を育ててくれたんだ」
052 原田 「だからって、今それが関係あんのかよ!俺はその大切な母親に、恩返し一つできないクズなんだよ!」
053 大塚 「確かに、今の君はクズかもしれない」
054 原田 「ああそうだよ!分かったんならもう死なせてくれ!」
055 大塚 「私も同じクズだったからよく分かるよ」
056 原田 「・・・え?」
057 松原 「カツ丼のお店、結構近くなんですけど、お礼に案内しましょうか?」
058 大塚 「ぜひお願いします」
059 原田 「おい!おいちょっと待てぇ!!」
060 大塚 「すまない、話の続きはカツ丼を一杯食べた後するから、そこで待っていてくれないか?」
061 原田 「バカかてめぇは!」
062 大塚 「申し訳ない。でも一口だけでは、どうしても物足りない味なんだ」
063 原田 「俺も店の場所知りたいって言ってんだろうが!」
064 松原 「それじゃあ一緒に行きますか?」
065 原田 「当たり前だろ!そうすりゃ食べながら説得もできるだろうが!頭使いやがれ!」
066 大塚 「それもそうだ。じゃあ話の続きはカツ丼を食べながらにしよう」
067 原田 「一杯食い終わるまでに説得できなかったら飛び降りるからな!」
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