幼馴染と新事実

原作者 きなもち
登場キャラ数 男:1女:1無0
ジャンル コメディ
セリフ数 84
目安時間
利用規約 配布元とURL書いてってことです
提供元 音楽作品を制作している1次創作グループ
メディア  
登場人物 性別/声 セリフ数 その他
光輝
(こうき)
42 死んでしまった高校生。
唯奈
(ゆいな)
42 光輝の幼なじみ?

サークル情報

001 唯奈 「ほら光輝。ジャーン、懐かしいでしょ」
002 光輝 「唯奈・・・」
003 唯奈 「小学校の時にあんたが図工で作ったロボットだかなんだかの木の塊だよ。
なぜかうちの押し入れから出てきたんだよ」
004 光輝 「そんな顔しないでくれよ唯奈・・・」
005 唯奈 「光輝のことだからおおかた、あたしに自慢しに持ってきてそのまま置いてったんだろうけどさ」
006 光輝 「泣かないでくれよ唯奈・・・」
007 唯奈 「せっかくだからあんたをバカにしようと思って持ってきたんだよ・・・
こんなものを光輝は自慢してたんだよ。恥ずかしいったらないでしょ」
008 光輝 「・・・」
009 唯奈 「・・・・・・本当に死んじゃったんだね。光輝。
いつもだったら顔真っ赤にしてこの木の塊をゴミ箱に投げ捨てて、
部屋中転がり回って跳ね回るぐらいするのに」
010 光輝 「唯奈・・・俺」
011 唯奈 「制服のネクタイと間違えてイヤホンのコードを首に巻き付けて、
それで首を締め付けて死んじゃったなんて・・・」
012 光輝 「俺も・・・今でも夢なんじゃないかと思うよ」
013 唯奈 「柔道部の顧問の先生の車に轢かれても、ふざけて上った木の上から落ちても、
自転車で派手に転んで意識がなくなっても、
柔道部の顧問の先生が誤って4階の窓から落とした花瓶が頭に直撃した挙句、
慌てて駆け付けた柔道部の顧問の先生の車の下敷きになっても」
014 光輝 「柔道部の顧問の先生・・・」
015 唯奈 「それでも死ななかった光輝が、まさかそれぐらいで死んじゃうなんて・・・」
016 光輝 「そういや誤ってカッターナイフで刺されたこともあったな・・・柔道部の顧問の先生に」
017 唯奈 「まぁネクタイ巻いてたらそれはそれで死んでた気がしないでもないけど」
018 光輝 「唯奈、本当にごめん。突然こんなことになってお前を悲しませて」
019 唯奈 「・・・ほら、光輝これ。光輝の好きだった、学校の近くのお店のお好み焼き」
020 光輝 「あぁ、よく学校帰りに買ってたけど、唯奈よく知ってたな。誰かに聞いたのか?」
021 唯奈 「あたしね、基本薄味が好きだから、このお好み焼きは好きじゃないんだ」
022 光輝 「そうなんだ・・・薄味が好きだなんて知らなかったな」
023 唯奈 「光輝はほんと昔から味が濃いもの好きだったよね」
024 光輝 「唯奈は本当によく知ってるな。俺は唯奈のこと全然知らなかったのに・・・」
025 唯奈 「光輝はあたしが作る料理が嫌いで、そのうち食べようともしなくなったよね」
026 光輝 「いま思えば悪いことしてたな・・・俺」
027 唯奈 「・・・ねぇ光輝、実はあたし光輝のために濃い味のものも作ってたんだよ。
・・・光輝に美味しいって言わせたくて」
028 光輝 「唯奈・・・」
029 唯奈 「結局・・・食べないまま死んじゃうなんて・・・信じらんない!ほんとあんたって自分勝手なんだから!」
030 光輝 「本当にごめん、唯奈・・・」
031 唯奈 「・・・なんて、死んじゃったあんたにこんなこと言うあたしも自分勝手だよね。いまさらだもんね」
032 光輝 「そんなことないよ。何度言われてもお前の料理を食べなかったのは俺なんだから」
033 唯奈 「・・・せっかく秘密にしてたこと言ったんだからこの機会に他の秘密も話しちゃおっかな」
034 光輝 「他の秘密?こいつ俺にそんなに隠し事してたのか?」
035 唯奈 「光輝にとってはそんなの興味ないんだろうけどさ、勝手に死んだ罰としてちゃんと聞いてよね」
036 光輝 「あぁ、いくらでも聞くよ」
037 唯奈 「光輝、学校の自販機でよく飲み物買ってたでしょ?」
038 光輝 「俺の好きなおしるこ炭酸があったからな」
039 唯奈 「そのお金、毎日あたしが入れてたんだよ」
040 光輝 「え!?」
041 唯奈 「あんたはズボラだから気がついてなかっただろうけど」
042 光輝 「確かに『毎日やたらスムーズにおしるこ炭酸が買えるなぁ』と思ってたけど」
043 唯奈 「あんた毎朝確認せずに持って行くけど、酷い時なんて財布に1円玉しか入ってなかったんだから」
044 光輝 「俺がなにかしらの能力に目覚めて飲み物代が生成されていたわけじゃなかったのか・・・」
045 唯奈 「はぁ・・・1年と3ヶ月、あんたにどれぐらいのお金をあげたんだか」
046 光輝 「それは素直にありがとう唯奈」
047 唯奈 「ちゃんとあの世で感謝しなさいよ」
048 光輝 「・・・このお礼も、もう聞こえないんだよな」
049 唯奈 「間違っても『幼なじみだから当然だ』とか思わないでよね!」
050 光輝 「お前は俺をどんな人間だと思ってるんだ」
051 唯奈 「・・・光輝はあたしのこと幼なじみだと思ってるよね?」
052 光輝 「は?なんでそんなこと聞くんだよ。そら当然だろ?」
053 唯奈 「これも秘密にしてたことなんだけど、あたしと光輝って実は幼なじみじゃないんだよ」
054 光輝 「へー・・・へ、え!?うええ!?」
055 唯奈 「まぁこの話はしなくてもいいかな」
056 光輝 「え!?しなく・・・いや、しろよ!重大だろ!重大発表だろ!」
057 唯奈 「どうせ光輝は興味ないもんね」
058 光輝 「興味あるよ!ありまくるよ!そのことで頭いっぱいでもう四六時中眠れそうにねぇよ!」
059 唯奈 「実はあたし光輝が本棚の裏にエッチな本隠してるの知ってるんだ」
060 光輝 「いや次の話題にいくなよ!それも確かに俺の心に深いダメージを負わせてるけど!
けど頼むから先刻の重大な発言について掘り下げてくれ!」
061 唯奈 「光輝ってその・・・胸の大きい人が好きなんだね」
062 光輝 「もういいよ!そんなありがちな精神攻撃すでに気にならないから!さっきの話に早く戻ってくれ!」
063 唯奈 「あたしみたいな幼児体系、光輝は興味ないよね」
064 光輝 「そうだよ!!今更お前の体系に興味ねぇよ!!
それより俺とお前の関係について興味津々なんだよコッチは!!」
065 唯奈 「あと光輝のお父さんとお母さんは、光輝の実の両親じゃないの」
066 光輝 「いやだからお前と俺の・・・はあ!?ちょっと待てよ!なんだよそれ聞いてねぇぞ!?」
067 唯奈 「それどころか光輝のご両親は人間でもなくて、政府が秘密裏に開発した、
人工知能に加えて感情まで搭載された自律式ロボットなんだって」
068 光輝 「待て待て待て待てぇ!!なんでそんな衝撃の新事実がボンボコボンボコ出てくるんだよ!
急展開がものすごい速度で駆け抜けてて頭が追い付かないどころじゃねぇよ!
駆け抜け過ぎて逆に見失いかけてるよ!」
069 唯奈 「それと中学3年の時にさ、あんた交通事故に遭ったでしょ」
070 光輝 「ああ、確か登校中にトラックに轢かれたんだっけ・・・って、いやだから次の話題に行くなよ!
そんなことよりお前と俺の関係と俺の両親について!」
071 唯奈 「2トントラックとダンプカーの間に挟まれた上に、
事故で高速道路から落ちてきたタンクローリーの下敷きになった挙句、
3台の車が大爆発を起こす事故に巻き込まれてさ」
072 光輝 「トラックに轢かれたとしか聞いてないんだけど!?そんな激しさを極めきったような事故だったの!?」
073 唯奈 「一命は取り留めたんだけど、
もう助かる見込みはないって、後は死を待つばかりの状態だってお医者さんに言われて」
074 光輝 「むしろその事故でよく俺は一命を取り留めたな!」
075 唯奈 「でもね、光輝のお母さんが『お金はいくらでも出すから、とにかく何とかしてくれ』
ってお医者さんに泣きついて、それで光輝の体を隅々まで検査してもらったの。
そしたらね、光輝の体は全身の血管が通常の人間よりも遥かに太いっていう特異体質が見つかったの」
076 光輝 「幼馴染や親だけじゃなく俺の体にまで新事実が!?」
077 唯奈 「それを聞いた諸外国の組織が、命を保証する代わりに光輝の体で実験をしたいって言ってきてね」
078 光輝 「また衝撃の新事実出てきた!もうお腹いっぱいだよ!お腹いっぱいいっぱいだよ!」
079 唯奈 「難しい話は分かんなかったけど、その組織が光輝の体を
『オールポンプヒューマン』とかいう全身心臓人間に造り替えたんだって」
080 光輝 「『造り替えたんだって』じゃねぇよ!俺の知らない間に波瀾万丈起こり過ぎだろ!」
081 唯奈 「全身が心臓の役割をしてるから、例え心臓を潰されても死なない体になったって言われてたはずなのに・・・
どうして死んじゃったのよ光輝・・・」
082 光輝 「本当だよ!なんで俺死んじゃったの!?ネクタイとイヤホンのコード間違えて窒息じゃねぇよ!
せめてもっと壮大に死ねよ!」
083 唯奈 「ちなみに光輝の実の両親について調べたことがあったんだけど、
実は光輝は過去にヴァンパイアと呼ばれていた一族の末裔でね」
084 光輝 「もういいよ!!」
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