原作者 | カルボレン |
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登場キャラ数 | 男:1 女:0 無0 |
ジャンル | シリアス・ファンタジー |
セリフ数 | 21 |
目安時間 | 10分 |
利用規約 | 配布元とURL書いてってことです |
提供元 | 音楽作品を制作している1次創作グループ |
メディア |
登場人物 | 性別/声 | セリフ数 | その他 |
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守護 (しゅご) |
♂ | 21 |
001 | 守護 | 「あぁ、私だ。あぁ、あぁ、そうか・・・報告ありがとう、ゆっくりと休むといい・・・。潮時か・・・」 |
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002 | 守護 | 戦争のきっかけはとても単純だ。国王の暗殺未遂事件。 この国をおおきく震撼させる出来事だった。 捕らえた暗殺者の自供により、依頼人が隣国の王と分かりその報復として戦争が始まった。 平和協定を結んでいた相手であったにも関わらず・・・。 |
003 | 守護 | 私の姉は隣国の城下町で花屋を営んでいた。 毎年私の誕生日に贈られてきた花は、今年来ることはなかった。 捕虜となって捕らえられてしまったのか、それとも・・・そこまで考えて私はいつも首を振るのだ・・・。 私は信じているきっとどこかで生きているのだと。それに隣国に働きにでたのは姉だけではない。 この国の・・・まして私の部下にも同じ境遇の者がいるのだ。私だけは、ぶれてはいけない。 私は部下に冷静に命令を下す、当然その者にも家族がいるのだ、誰も死なせてはいけない・・・ いや死なせるわけにはいかない。 そして、この場所の守護を任された身として命を賭けて守らなくてはならない。 その二つの両立を理想に掲げ戦線に立った。 |
004 | 守護 | しかし、その理想はすぐに幻想へと変わり崩れ去った。 |
005 | 守護 | 「・・・電話が・・・」 |
006 | 守護 | 私に任されたのはここの守護であり攻撃ではない。 ここに来る電話はほぼ確実に我が軍にとってネガティブな内容であることは間違いない。 私は 震える手で受話器を取り耳へとあてる。そして冷静を装いいつものセリフを語るのだ。 |
007 | 守護 | 「あぁ、私だ。あぁ、あぁ、そうか・・・報告ありがとう、ゆっくりと休むといい・・・」 |
009 | 守護 | 受話器をおいて、いつもは吸わないタバコを吸う。 タバコは嫌いだ、大嫌いだ。何もかもを忘れてしまう気がする。 |
009 | 守護 | 敵軍勢は大軍を率いて近くまで来ている・・・先程の電話はそれを伝えるものであった。 ・・・約束を破ってしまった後悔、自責、虚無にさいなまれる。 私の判断ミスが引き起こしてしまったことなのだ。 |
010 | 守護 | 「すまない。・・・すまない・・・すまない、すまない、すまない、すまない・・・すまない」 |
011 | 守護 | 「いや・・・もういいか・・・」 |
012 | 守護 | そう一言だけ呟いて己を再認識し、マイクを手に取り私の部下全員に届くよう、音量を大にして語りかけた。 |
013 | 守護 | 「私の指示によってこの場所は危うくなってしまった。 総員、私と一緒に死ぬことはない。退却し生き長らえてくれ。 以上だ。繰り返す、退却だ!」 |
014 | 守護 | そう言い、マイクの電源を落とす。電話は先程から常に鳴っている。 構うものかと窓の外、眼下に広がる光景を見る。 目前に迫った敵軍勢・・・これが初めてみる敵の姿になるのだろう・・・。 と思った刹那、守護すべき扉は開かれた。 そして飛び出す私の部下たちに驚き、なり続ける電話に飛びついた。 「おい!?なんのつもりだ!」と怒鳴るつもりだった。 しかし・・・電話越しから漏れてくる部下の必死な声を聞き、私は言えなかった・・・。 |
015 | 守護 | 「・・・勝手にしろ・・・ありがとう」 |
016 | 守護 | みんなは、こんな私を慕ってくれていたのだ・・・何もできないこの私を・・・ |
017 | 守護 | 眼下に広がる眺めを見下ろす。数は残酷だ・・・あまりにも残酷だ・・・。 私は約束を何一つ守ることができなかった。敵が私の部下を飲み込んで中へと入ってくる。 せめてもの償いを・・・と思い構えた瞬間、扉が勢いよく開かれた。 |
018 | 守護 | 「!?ねっ姉さん!?どっどうして!?」 |
019 | 守護 | と口にしようとした時に乾いた音と共に私の体は跳ね、崩れ落ちた。 |
020 | 守護 | 「・・・神様は優しいのだな。最後に会いたい人に会わせてくれるなんて。 誓いを守ることさえできないこの私に・・・」 |
021 | 守護 | 私の意識は遠のいていった。一瞬だけ感じた浮遊感の理由を知ることなく・・・。 |
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