原作者 | きいち |
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登場キャラ数 | 男:2女:1無:0 |
ジャンル | シリアス |
セリフ数 | 55 |
目安時間 | 分 | 利用規約 | 配布元とURL書いてってことです |
提供元 | 音楽作品を制作している1次創作グループ |
メディア |
登場人物 | 性別/声 | セリフ数 | その他 |
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シュピー |
♀ | 30 | 22歳。救急救命チャンネルの新人オペレーター。 |
部長 (ぶちょう) |
♂ | 9 | 48歳。ベテランオペレーター。最近の部下の扱いに慎重。 |
たけし |
♂ | 16 | 31歳。世界最後の生き残り。 |
001 | シュピー | 「はい、こちらはハルモニア救急救命チャンネルです。どうなされ」 |
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002 | ト書き | 電話切れる |
003 | シュピー | 「あっ・・・(ため息)部長」 |
004 | 部長 | 「どうした、シュピー君。一緒にお饅頭食べるかい」 |
005 | シュピー | 「あ、いえ。ペテルタ556番の回線が途切れました」 |
006 | 部長 | 「連絡した人は?」 |
007 | シュピー | 「あの様子だと・・・ちょっと」 |
008 | 部長 | 「分かった。配線係に通達しておく。ご苦労さま」 |
009 | シュピー | 「ありがとうございます。・・・(ため息)せめてもう少し早く電話してきてくれればなぁ」 |
010 | ト書き | 電話が鳴る |
011 | シュピー | 「はい、こちらはハルモニア救急救命チャンネルです。どうなさいましたか?」 |
012 | たけし | 「ああ、神様ありがとう」 |
013 | シュピー | 「もしもし?大丈夫ですか?」 |
014 | たけし | 「今、俺の目の前に電話が現れたんだ。それを普通なら使うなんて思わないよな。 世界が・・・に入れ代わって世の中皆おかしくなって・・・得体のしれない物を使おうだなんて」 |
015 | シュピー | 「もしもし?」 |
016 | たけし | 「でもさ、俺は人の声が聞きたかったんだよ。 もう1か月・・・いや、詳しくは忘れたがとにかくもう暫く正常な声を聞いてない。 時々奴らのわけわかんない声しか聞こえてこないんだ。おかしくなりそうだ。 だからかな、気づいたら急に出てきた電話を使ってた。 そしたらあんたの声が聞けたんだ。これは幻聴じゃない、そうだろ?」 |
017 | シュピー | 「はい。あなたは正常ですよ、少なくともこうしてお話が出来ていますから。 だから落ち着いてください、大丈夫です」 |
018 | たけし | 「ああ、そうか、そうだな。ごめん・・・。取り乱した」 |
019 | シュピー | 「大丈夫ですよ。それで、どうなさいましたか?」 |
020 | たけし | 「お願いだ、ここから助けてくれ」 |
021 | シュピー | 「レスキューをご所望ですね。わかりました。・・・今、救助チームを送る準備をしています。 彼らが行くまであなたはそこで動かないでください。わかりましたか?」 |
022 | たけし | 「おお助かるよ本当に。場所は・・・」 |
023 | シュピー | 「そちらの場所なら電話の位置で把握できているのでご安心ください。 お名前を教えてくださいますか?」 |
024 | たけし | 「そうなのか。名前は、たけしだ」 |
025 | シュピー | 「たけしさんですね。次にそこは今どういう状況ですか?」 |
026 | たけし | 「化け物が・・・化け物があわられて、何人も殺された・・・。 俺は・・・俺も・・・俺もあの化け物に・・・なぁ助けてくれ!」 |
027 | シュピー | 「落ち着いてください、大丈夫ですよ。今レスキューが向かっています」 |
028 | たけし | 「あ、あぁ・・・。な、なぁ、他のやつはどうなっているんだ? スマホは繋がらないし、テレビも見えない。外の様子がまるでわかんないんだ」 |
029 | シュピー | 「非常に申し上げにくい事なのですが、たけしさんが居る世界に生存者は貴方しかいません」 |
030 | たけし | 「え?」 |
031 | シュピー | 「この電話はラストチャンスと呼ばれる非常時用の緊急連絡端末なのです。 世界に生き残っている人が最後の一人になった瞬間その人の近くでこの電話が現れます」 |
032 | たけし | 「お、おい、笑えないぞ」 |
033 | シュピー | 「貴方は電話を手に取った。つまり、もうそこには貴方しか残されていないのです。 それに、そういう疑問を抱くなんて珍しいですね。本来ならその電話には認識作用があって、 手を触れればこの電話の仕組みが理解できるはずなんですが・・・。故障でしょうか」 |
034 | たけし | 「お、おい」 |
035 | シュピー | 「どうか落ち着いてください。信じがたいでしょうが、事実なのです 」 |
036 | たけし | 「じゃ、じゃあ、俺は助けられたらどうなるんだ?」 |
037 | シュピー | 「あなたは私たちの世界で保護を受けます。名誉市民権の話もした方が良いでしょうか? 」 |
038 | たけし | 「い、いや・・・」 |
039 | シュピー | 「たけしさん、気持ちは理解しています。でもどうか気を確かに。 もう間もなく、そちらにチームが到着しますので」 |
040 | たけし | 「・・・来たみたいだ」 |
041 | シュピー | 「え?」 |
042 | たけし | 「玄関に居るみたいだな・・・。受け入れがたいが、仕方が無いんだよな。もう行くよ」 |
043 | シュピー | 「ま、待って下さい!まだ到着の連絡は・・・」 |
044 | ト書き | 電話が切れる |
045 | シュピー | 「(ため息)部長」 |
046 | 部長 | 「どうした、シュピー君」 |
047 | シュピー | 「ジャポネ431の通話が途絶しました」 |
048 | 部長 | 「その番号はさっき救助隊を送った所だけど」 |
049 | シュピー | 「間に合いませんでした。それと電話の認識作用が機能していなかったようです」 |
050 | 部長 | 「そう、わかった。救助隊と配線係に連絡しておく。ご苦労さま」 |
051 | シュピー | 「次はもっと上手くやります」 |
052 | 部長 | 「無理しない程度に頑張って。近頃はコンプライアンスとか厳しいからね」 |
053 | シュピー | 「はあ・・・」 |
054 | 部長 | 「あ、そうだ!フロンティア7で買ってきた七つ橋饅頭あるから、あとで食べにおいで」 |
055 | シュピー | 「ありがとうございます」 |
056 | 部長 | 「それでリフレッシュして、切り替えて行こう」 |
057 | シュピー | 「あはは。わかりました」 |
058 | ト書き | 電話が鳴る |
059 | シュピー | 「はい、こちらはハルモニア救急救命チャンネルです。どうなさいましたか?」 |
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