原作者 | きなもち |
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登場キャラ数 | 男:2女:0無0 |
ジャンル | コメディ |
セリフ数 | 169 |
目安時間 | 分 |
利用規約 | 配布元とURL書いてってことです |
提供元 | 音楽作品を制作している1次創作グループ |
メディア |
登場人物 | 性別/声 | セリフ数 | その他 |
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x (えっくす) |
♂ | 85 | |
z (ぜっと) |
♂ | 84 |
001 | z | 「あー、深夜のコンビニやばい。暇すぎる。暇すぎて一人でしりとり始めそうになるぐらいやばい。 もうどうせ客来ないし、早朝まで店閉めててもいいんじゃねぇかなぁ。 24時間営業だけど。あ、客だ。いらっしゃいませー」 |
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002 | x | 「強盗だ」 |
003 | z | 「う、え?ご、強盗?」 |
004 | x | 「強盗だ。動くな」 |
005 | z | 「うわまじかよ最悪だよ・・・」 |
006 | x | 「黙れ!しゃべるんじゃない!」 |
007 | z | 「す、すんません!」 |
008 | x | 「凶器を出せ」 |
009 | z | 「は、はい!きょ・・・は?凶器?」 |
010 | x | 「凶器っていうか、なんかナイフとかカッターとか、凶器になるものを出せ」 |
011 | z | 「え?なんでですか?」 |
012 | x | 「忘れたんだ」 |
013 | z | 「忘れたんすか!?」 |
014 | x | 「いや・・・玄関までは絶対持ってたんだけど、 たぶんクツ履くときに横に置いて、そのまま忘れてきたんだと思う」 |
015 | z | 「そんな小学生の体操服みたいな!」 |
016 | x | 「あ、君も小学生の頃に玄関に体操服忘れたことある?」 |
017 | z | 「ありますよ」 |
018 | x | 「あるよね!?あんまり誰も共感してくれないから、俺だけなのかと思ってた!」 |
019 | z | 「あー、でも僕も自分で言っておきながら、あんまり共感してくれる人いなかったっす」 |
020 | x | 「でも忘れるよね!?クツ履く時に横に置いて、そのまま忘れるよね!?」 |
021 | z | 「いや何を盛り上がってるんすか!強盗の真っ最中でしょ!?」 |
022 | x | 「ああ、そうだった。いやだから、凶器になるものなんか持ってない?」 |
023 | z | 「そんな急に言われても、ハサミぐらいしかないですよ」 |
024 | x | 「ハサミはあるの?」 |
025 | z | 「普段からレジに置いてあるやつです」 |
026 | x | 「どんなの?どういうハサミ?」 |
027 | z | 「いや普通にこういうやつです」 |
028 | x | 「バカめ!かかったな!」 |
029 | z | 「あ、ちょっと!」 |
030 | x | 「凶器はいただきだ!」 |
031 | z | 「しまったぁ!まんまと見せちゃったぁ!」 |
032 | x | 「ハサミはお前、十分凶器だろう!今後はもっと管理に気を付けるんだな!」 |
033 | z | 「くっそぉ!確かにハサミはモロ刃物だ!なんて狡猾な強盗だ!」 |
034 | x | 「はっはっは!さぁ!金を出してもらおうか!」 |
035 | z | 「あ、でもこっちにもっと切れ味の良いハサミありますよ」 |
036 | x | 「あ、本当に?」 |
037 | z | 「はい、こっちのハサミめっちゃ切れますよ」 |
038 | x | 「そっちの方がいいじゃん。ならそっち使うわ」 |
039 | z | 「じゃあ交換するんで、そっちのハサミ返してください」 |
040 | x | 「はい」 |
041 | z | 「よっしゃ!かかったな!」 |
042 | x | 「あ、しまった!普通に返してしまった!」 |
043 | z | 「凶器のない強盗なんて、鎌のないカマキリのようなもんだ!」 |
044 | x | 「それもはやカマキリじゃない!でも否定はできない!」 |
045 | z | 「大体切れ味良くたって、どうせ突き刺すんだから関係ないだろ!へっ!バーカバーカ!」 |
046 | x | 「おいちょっと待て。バカってなんだバカって」 |
047 | z | 「せっかく手に入れた凶器を返す強盗なんてバカに決まってんだろ!」 |
048 | x | 「人様に向かって失礼だろぉ!!」 |
049 | z | 「・・・え、いや、あの」 |
050 | x | 「お前歳は?いくつだ?」 |
051 | z | 「21ですけど」 |
052 | x | 「俺27だぞ。見た目で年上なの分かるだろ?」 |
053 | z | 「いやまぁ、そうですけど」 |
054 | x | 「年上の人間に向かってバカとはなんだバカとは!しかもお前店員だろ!?なぁ!?」 |
055 | z | 「いやそれは」 |
056 | x | 「コンビニ店員が年上に向かってバカとはなんだぁ!!」 |
057 | z | 「・・・すんませんでした」 |
058 | x | 「ったく・・・おい」 |
059 | z | 「は、はい」 |
060 | x | 「返せよ」 |
061 | z | 「え」 |
062 | x | 「返せよハサミ!」 |
063 | z | 「あ、すんません」 |
064 | x | 「バカめ!本当に返すとはな!さあ金を出せ!」 |
065 | z | 「え、ちょっと」 |
066 | x | 「強盗に対して『すんません』って言いながら凶器返したよこいつ!バカじゃねぇの!」 |
067 | z | 「なんすかそれ!自分でさっきバカとは失礼だなんだって言ったくせに!」 |
068 | x | 「うるせぇ!年上だこっちは!いいから金を出せ!さもないと刺すぞ!」 |
069 | z | 「くっそぉ・・・」 |
070 | x | 「くそじゃねぇ!殺されてぇのか!」 |
071 | z | 「あ、す、すんません!」 |
072 | x | 「おらぁ!レジの金全部だせ!」 |
073 | z | 「は、はい!すぐにやります!」 |
074 | x | 「早くしろ!」 |
075 | z | 「はい!・・・あの」 |
076 | x | 「なんだ!」 |
077 | z | 「袋とかは」 |
078 | x | 「袋?なんのことだ!」 |
079 | z | 「レジのお金を詰める袋ですよ。カバンとかなにか」 |
080 | x | 「・・・あ、ごめん」 |
081 | z | 「ごめんてなんですか。あ!もしかしてそれも玄関に忘れたんですか!?」 |
082 | x | 「いや、全然頭になかった」 |
083 | z | 「あ、最初から考えてなかったんですか!」 |
084 | x | 「ごめん、袋もあの、ある?」 |
085 | z | 「なんでもかんでも店任せじゃないっすか!そんな強盗いませんよ普通!」 |
086 | x | 「ごめん。ほんとこれはごめん」 |
087 | z | 「袋って・・・レジ袋しかないですよ!急に言われても!」 |
088 | x | 「あー、じゃあもうそれでいいや」 |
089 | z | 「いいんですか!?白いビニールだから、たぶん大金が透けて見えますよ!?」 |
090 | x | 「うん、もう金が入るならいい。どうせ無計画の強盗だし」 |
091 | z | 「そっちがいいのならまぁ、いいですけど」 |
092 | x | 「とにかく早くして」 |
093 | z | 「もー、凶器も袋もこっちが用意してるのに注文多いなぁ!」 |
094 | x | 「だからごめんって!それは謝るけど、犯罪中の身だから!犯罪なうだから!」 |
095 | z | 「わかりましたよ。じゃあレジ袋に詰めますからね」 |
096 | x | 「一番大きい袋でお願い」 |
097 | z | 「誰も小さい袋に詰めませんよ。よっと・・・あれ」 |
098 | x | 「ちょっと、何してるの。早く早く」 |
099 | z | 「いや緊張のせいか袋がうまく開かないんすよ」 |
100 | x | 「開かないってなに?どういうこと?」 |
101 | z | 「いやほら、ビニールだから静電気でくっつくじゃないですか。入口が」 |
102 | x | 「あー、まあね」 |
103 | z | 「そんで緊張して手が汗ばんでるから、うまく開けれないんですよ」 |
104 | x | 「もー、ちょっと貸してみ。俺やるから」 |
105 | z | 「いいですか?」 |
106 | x | 「まぁ用意してもらってるわけだし、それぐらいはやるよ。自分で」 |
107 | z | 「じゃあハサミ持っときますよ」 |
108 | x | 「ああ、ありがとう」 |
109 | z | 「ひっかかりましたね!」 |
110 | x | 「・・・ああ!凶器奪われた!」 |
111 | z | 「何回ひっかかるんすか!」 |
112 | x | 「くっそー!普通に言うから普通に渡してしまった!」 |
113 | z | 「また鎌のないカマキリに逆戻りですね!」 |
114 | x | 「やめろその言い方!もー!ハサミ返せよ!」 |
115 | z | 「嫌ですよ!言われて返すわけないでしょう!」 |
116 | x | 「それがないと強盗できないっしょ!?」 |
117 | z | 「知りませんよ!大体これは店の備品ですから!返すも何も元々こっちの物でしょう!」 |
118 | x | 「強盗の俺が一回奪ったんだから、もはや俺のだよ!」 |
119 | z | 「そんな理屈が通る訳ないじゃないですか!」 |
120 | x | 「いいからもー!かーえーせーよ!」 |
121 | z | 「あ、ちょっと!カウンターの中入ってこないでくださいよ!」 |
122 | x | 「かーえーせ!」 |
123 | z | 「なんですかもー!やーでーすって!」 |
124 | x | 「待てって!返せって!」 |
125 | z | 「追っかけて来ないでくださいよ!」 |
126 | x | 「返せよ凶器!強盗に凶器を渡せよー!」 |
127 | z | 「渡すわけないでしょう!やーでーす!」 |
128 | x | 「あ、ちょっと!懐にしまうなよ!反則だぞ反則!」 |
129 | z | 「なんすか反則って!そんなルールないですよ!」 |
130 | x | 「いいからかーえーせって!」 |
131 | z | 「いーやーでーす!」 |
132 | x | 「わーたーせーよぉ!」 |
133 | z | 「だーめーでーす!」 |
134 | x | 「はーさーみぃ!」 |
135 | z | 「うーちーのーでーすぅ!」 |
136 | x | 「もー!このドケチ!」 |
137 | z | 「命かかってるのにケチも何もありません!」 |
138 | x | 「いいじゃん!ハサミぐらい!貸してよ!」 |
139 | z | 「凶器として使われるのに貸すわけないでしょう!」 |
140 | x | 「強盗にハサミの一つも貸してくれないのか!この店は!」 |
141 | z | 「どの店も貸しませんよ!大体強盗が店に凶器を要求しないですし!」 |
142 | x | 「だってそれはあの・・・はぁ・・・はぁ・・・」 |
143 | z | 「はぁ・・・はぁ・・・は、走り回ったから、息、あがってるじゃないですか・・・」 |
144 | x | 「はぁ・・・あのさ」 |
145 | z | 「な、なんですか?」 |
146 | x | 「おかしなこと言うかもしれないけどさ」 |
147 | z | 「はい、なんすか」 |
148 | x | 「いや、なんか今・・・今って言うか、強盗に入ってからの一連のやりとりがなんか・・・ 久しぶりに楽しかったっていうか」 |
149 | z | 「ああ、それはあの・・・僕もです」 |
150 | x | 「童心に返ったっていうか」 |
151 | z | 「すごいなんか、懐かしい気持ちを思い出しましたね」 |
152 | x | 「うん、ありがとうね」 |
153 | z | 「いやなにがですか」 |
154 | x | 「なんか分かんないけど」 |
155 | z | 「こちらこそ、なにか分からないけどありがとうございました」 |
156 | x | 「じゃあ走り回って疲れたし、そろそろ帰るわ」 |
157 | z | 「あれ、強盗はもういいんですか?」 |
158 | x | 「うん、もうなんかスッキリしたし」 |
159 | z | 「リフレッシュしちゃってるじゃないですか。強盗しに来たのに」 |
160 | x | 「あ、強盗に入ったのはごめんね。それは謝っておくよ」 |
161 | z | 「いやいいっすよ。未遂ですし。こっちも楽しかったんで」 |
162 | x | 「基本深夜勤務?君は」 |
163 | z | 「あ、はい。そうですけど、なんでですか?」 |
164 | x | 「いや、また来ようと思って」 |
165 | z | 「ご、強盗しに?」 |
166 | x | 「いやいや、客として客として」 |
167 | z | 「ああ、それはもう、ぜひ来てください」 |
168 | x | 「ありがとうね。それじゃあまたね」 |
169 | z | 「はい、またのご来店お待ちしておりまーす!・・・あ!名前ぐらい聞いておけばよかったなぁ」 |
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