トイレ

原作者 きなもち
登場キャラ数 男:2女:0無:0
ジャンル コメディ
セリフ数 116
目安時間
利用規約 配布元とURL書いてってことです
提供元 音楽作品を制作している1次創作グループ
メディア  
登場人物 性別/声 セリフ数 その他
伊藤
(いとう)
58  
玉田
(たまだ)
58  

サークル情報

001 玉田 「あの・・・鼻のあたりが硬い角になっていて、突進が凄まじい大型の動物ってなにか分かる?」
002 伊藤 「え?なにって、サイ?」
003 玉田 「そう、サイなんだよ。
サイ・・・サイなんだよ?あ、サイなんだよで思い出したけど、最近災難なことが多くてさぁ」
004 伊藤 「いや話の切り出し方ド下手くそか!」
005 玉田 「いやもう本当に災難続きで、気が滅入っちゃってるのよ」
006 伊藤 「ああ、そうなんだ」
007 玉田 「お前もなにか公衆トイレであった災難な話とかある?」
008 伊藤 「だから話の展開ド下手くそか!そんなピンポイントな質問あるか!
まぁ公衆トイレでの災難と言えばこの前、公衆トイレで用を足した後、
トイレットペーパーが無いことに気が付いたんだよ」
009 玉田 「あー、あるある。絶望する、そういう時。
まぁお前に関しては、お前の前にトイレを利用した人が、
お前がトイレに入ることを見越して、全部使い切った可能性が高いけど」
010 伊藤 「全部ピンポイントだなぁ!無くなる理由も、なによりそいつの嫌がらせも!
そいつはその先見の明をもっと他のことに活かせ!」
011 玉田 「全部使ったもんだから、そいつもうお尻擦り切れて血だらけなったと思うよ」
012 伊藤 「わざわざトイレットペーパー全部使ったんだ!ケツに!
俺にどんな恨みを持ってればそこまでするんだよ!
いや、そんな話じゃなくて、それで外の人に助けを求めるのが、めちゃくちゃ気まずくてさぁ」
013 玉田 「あー、分かるよ。なんかもう惨めな姿のまま、惨めな理由で、
惨めにも他人に助けを請わなければならないのが、あまりに惨めで」
014 伊藤 「惨めって言い過ぎだろ。言ってることは間違ってないけど」
015 玉田 「じゃあ実際にその状況をやってみて、事前に慣れておこう」
016 伊藤 「え?わざわざ公衆トイレで紙が無くなった時の予行演習?それ必要か?」
017 玉田 「いやいや、何事も慣れよ。慣れ」
018 伊藤 「うーん、まぁ確かにそう・・・かなぁ。じゃあちょっとやってみるか」
019 玉田 「おう」
020 伊藤 「じゃあ俺がトイレで用を・・・え?ちょ、ちょっと。待って待って、一旦ストップ。お前それ何してんの?」
021 玉田 「いやだから、お前が公衆トイレで用を足して、トイレットペーパーがないことに気が付くんだろ?」
022 伊藤 「うん」
023 玉田 「だからトイレットペーパー役だよ」
024 伊藤 「トイレットペーパー役!?」
025 玉田 「はい、引っ張って引っ張って」
026 伊藤 「ひ、引っ張る?」
027 玉田 「カラカラカラン」
028 伊藤 「ああ、無くなった・・・そんで俺は誰に助け求めればいいんだよ!」
029 玉田 「ああ、そっか!ちょっと待ってて、誰か連れてくるから!」
030 伊藤 「いらないいらない!わざわざこんなくだらないことに付き合わせるなよ!
トイレットペーパー役いらないから、お前が外の人をやってくれよ!」
031 玉田 「ああ、俺が助けを求められる人ね。わかった。おーけーおーけー」
032 伊藤 「ふぅー・・・あ、やっべ!トイレットペーパー無い!嘘だろぉ・・・」
033 玉田 「あー、出た出た。めっちゃ出た」
034 伊藤 「あ、よかった。誰かいる」
035 玉田 「あー、俺は個室の外の人」
036 伊藤 「いいよわざわざ言わなくて。分かってるから。あの、すいませぇん、そこの人」
037 玉田 「ガチャ。はい、なんですか?」
038 伊藤 「おい!開けるな開けるな!」
039 玉田 「いやだって呼ぶから」
040 伊藤 「呼んだからってトイレのドアを開けるなよ!
むしろ呼ばれたとしても開けちゃダメだろ!っていうかカギ閉まってるから!」
041 玉田 「ああ、カギ閉まってるのね」
042 伊藤 「当たり前だろ!はい、もっかい最初から・・・
あ、ペーパーないじゃん!うっわぁどうしよう・・・」
043 玉田 「あー!個室の外だなぁ!」
044 伊藤 「なんなのさっきからそのアピール。あ、すいませぇん。そこの人」
045 玉田 「ガチャガチャガチャ。すいません、カギ閉まってますよ」
046 伊藤 「だからなんで開けようとするんだよ!閉まってて正しいんだよ!」
047 玉田 「人と話すときは、相手の目を見て話すのが常識だろ!?」
048 伊藤 「状況を考えてくれよ!こっちは恥部丸出しなんだから!」
049 玉田 「じゃあこっちも出すよ」
050 伊藤 「やめろやめろ、やめろ!恥部丸出しの男が同じ個室に二人って、危ないだろ!」
051 玉田 「じゃあどうしろって言うんだよ!」
052 伊藤 「ドア越しに話を聞いてくれよ!」
053 玉田 「ああ、ドア越しにね」
054 伊藤 「言わなきゃダメなのかなぁ・・・あ!紙がない!マジかよ!最悪だよぉ・・・」
055 玉田 「息子にかりんとうを買って帰ってやるか」
056 伊藤 「場所を考えろその独り言!息子さんがかわいそうだろ!すいませんそこの人!」
057 玉田 「はい、なんですか?」
058 伊藤 「いま紙が無くて困ってるんです!」
059 玉田 「あら、大変ですね」
060 伊藤 「申し訳ないんですけど、取ってもらっていいですか?」
061 玉田 「あー、すいません僕ちょっといま紙を持っていなくて」
062 伊藤 「ああ、いえ、あなたの私物じゃなくて大丈夫ですよ」
063 玉田 「一万円札しか持ってないので、これでよければ」
064 伊藤 「いやダメダメダメダメ!よくないよくない!」
065 玉田 「いまこれしか持ち合わせがないんですよぉ」
066 伊藤 「だったらいいよ出さなくて!それでケツ拭けるんだったら、最初から自分の千円でケツ拭くわ!」
067 玉田 「紙あるじゃねぇかよ」
068 伊藤 「それで拭けないから頼んでんだろ!」
069 玉田 「なんだよそれ!人の万札でもダメ!自分の千円札でもダメ!だったらもうお手上げじゃねぇかよ!」
070 伊藤 「お手上げじゃねぇよ!なんて視野が狭いんだお前は!そもそも紙幣はダメ!絶対NG!」
071 玉田 「じゃあどうすればいいんだよ」
072 伊藤 「紙!紙幣以外の紙を渡して!」
073 玉田 「先日息子が学校で貰った賞状でよければ」
074 伊藤 「だから息子さんの気持ちを考えろ!クソまみれにできるかそんなもの!
俺の言い方が悪かった!隣の個室からトイレットペーパー取ってこい!」
075 玉田 「はじめからそう言えよ」
076 伊藤 「言われずとも伝わってくれよそれぐらい!あー!紙がない!すいませんそこの人!」
077 玉田 「はい、なんですか?」
078 伊藤 「いま紙が無くて困ってるんです!」
079 玉田 「あら、それは大変だ」
080 伊藤 「すいませんが紙を取っていただけませんか!?」
081 玉田 「いいですよ。えーっと、隣の個室からトイレットペーパーを取って」
082 伊藤 「やっと話が進んだよ・・・」
083 玉田 「ガチャ。はいこれ、使ってください」
084 伊藤 「だから開けるなよ!なんで開けるんだよお前は!」
085 玉田 「いや紙を渡さないといけないから」
086 伊藤 「だからってドアを開けんなよ!そもそもカギ閉まってるって言ってんだろ!」
087 玉田 「なんでカギ閉めるんだよ」
088 伊藤 「前も後ろも丸出しだからだよ!」
089 玉田 「しまえばいいだろ」
090 伊藤 「それができたら初めからお前に頼みごとしてないんだよ!!」
091 玉田 「なんだよ!じゃあどうしたらいいんだよ!」
092 伊藤 「さっきから視野が狭いなお前は!そんなもん個室の上から渡せばいいだろ!」
093 玉田 「よっこいしょ。はい、ペーパー持ってきましたよ」
094 伊藤 「乗り越えてんじゃねぇよ!」
095 玉田 「だっていま個室の上からって」
096 伊藤 「ペーパーだけ渡すんだよ!上から!」
097 玉田 「ああ、ペーパーだけね」
098 伊藤 「当たり前だろ!」
099 玉田 「うぇーい」
100 伊藤 「なに投げ入れてくれてんだよ!」
101 玉田 「言われた通りにしただろ」
102 伊藤 「投げたらダメなことぐらい分かんないかなぁ!?」
103 玉田 「もー・・・なんなんだよさっきから!あれもダメこれもダメ!
こっちは親切心でやってるっていうのに怒鳴りつけられて、
考えたら分かるだのと、何でもかんでも暗黙のルールで縛り付け、
こっちの考えは頭ごなしに否定されるばかり・・・一体全体どうなっちまったってんだよ現代社会は!!」
104 伊藤 「うるさい!!・・・いいからもうペーパーだけ渡せ」
105 玉田 「はい」
106 伊藤 「個室の上から」
107 玉田 「はい、ペーパーだけ渡して」
108 伊藤 「はい、ありがとうございます。ふぅー、いやぁ助かりました」
109 玉田 「どういたしまして。っていう感じだな!」
110 伊藤 「おう、そうだな。なげぇよ!」
111 玉田 「なにが?お前の排泄物?」
112 伊藤 「ちげぇよ!わざわざ公表するかそんなこと!そうじゃなくて、紙を渡すだけでどんだけ時間かかってんだよ!
大体なんだよ!トイレで紙がない時の予行演習って!いらねぇわそんなもん!」
113 玉田 「いやでも考えてみろよ」
114 伊藤 「あ?」
115 玉田 「だってこの予行演習のおかげで、俺がトイレで紙を要求された時、ちゃんと渡すことができるってもんだろ」
116 伊藤 「趣旨変わっちゃってんじゃねぇかよ!いい加減にしろ!」
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