神は死にました。先週

原作者 きなもち
登場キャラ数 男:2女:1無:0
ジャンル コメディ
セリフ数 106
目安時間
利用規約 配布元とURL書いてってことです
提供元 音楽作品を制作している1次創作グループ
メディア  
登場人物 性別/声 セリフ数 その他
シンメル
38 アーマイゼ教の教徒
リッペ
31 アーマイゼ教の教徒
クヴァレ
37 アーマイゼ教の司祭であり、
神である『アーマイゼ』の言葉を教徒に伝える代弁者

サークル情報

001 リッペ 「隣、いいですか?」
002 シンメル 「ええ、いいですよ」
003 リッペ 「ありがとうございます」
004 シンメル 「いえいえ」
005 リッペ 「今日は、どんなお言葉が聞けるのでしょうね」
006 シンメル 「そうですね。私も待ち遠しくて仕方がないですよ」
007 リッペ 「我らが神であるアーマイゼ様のお言葉は
私たちの生きる道しるべであることを差し引いても、非常に素晴らしいですからね!」
008 シンメル 「ええ、本当に・・・おっと、静かに。クヴァレ司祭がいらっしゃいましたよ」
009 クヴァレ 「・・・えー、アーマイゼ教の教徒である皆さま、
本日もこの教会にお集まりいただき誠にありがとうございます。
不肖ながら代弁者であるわたくしクヴァレが、我らが神であるアーマイゼ様のお言葉を
代弁させていただこうと思っていたのですが・・・」
010 シンメル 「・・・どうしたんでしょう?クヴァレ司祭、黙り込んでしまいましたが」
011 リッペ 「今、『思っていたのですが』って言いましたよね?なにか問題が起きたのかしら・・・」
012 クヴァレ 「・・・本日は、みなさまに伝えなければならない、大切なことがあります。心してお聞きになってください」
013 リッペ 「なんでしょうかね?アーマイゼ様のお言葉よりも大切なことがあるのでしょうか?」
014 シンメル 「とりあえず静かに聞いてみましょう」
015 クヴァレ 「・・・・・・神は死にました」
016 リッペ 「・・・」
017 シンメル 「・・・」
018 リッペ 「・・・ええええ!?」
019 シンメル 「神は死に・・・え、クヴァレ司祭!クヴァレ司祭!!」
020 クヴァレ 「なんですか?」
021 シンメル 「今の発言は一体どういう意味ですか!?」
022 クヴァレ 「あぁ、少し言い方が悪かったですね」
023 シンメル 「で、ですよね!?なにかの間違いですよね!」
024 リッペ 「もう!焦ったじゃないですか!気を付けてくださいクヴァレ司祭!
あなた様だけが唯一の神との繋がりなのですから!」
025 クヴァレ 「申し訳ありませんでした、訂正致します。我らが神であるアーマイゼ様がお亡くなりになられました」
026 シンメル 「そそ、そういう言い方の問題!?」
027 クヴァレ 「本日は以上です」
028 リッペ 「以上です!?」
029 シンメル 「待ってくださいクヴァレ司祭!本当に神は亡くなったのですか!?」
030 クヴァレ 「ええ、本当です」
031 シンメル 「なぜ!?」
032 クヴァレ 「わかりません」
033 シンメル 「わ、わからないのですか!?」
034 クヴァレ 「死因につきましては恐らく神ご自身だけが知って・・・あ、神のみぞ知る」
035 シンメル 「いや、なんで言い直したんですか!それに『あ、』ってなんですか『あ、』って!」
036 クヴァレ 「ともかく神は亡くなりました」
037 シンメル 「そんなこと信じられるわけ・・・」
038 リッペ 「いつですか!?」
039 クヴァレ 「は?」
040 リッペ 「神が本当に亡くなったのだとしたならば、いつお亡くなりになられたのですか!?」
041 クヴァレ 「先週です」
042 リッペ 「先週!?」
043 シンメル 「先週って・・・それでは、おかしいじゃないですか!」
044 クヴァレ 「何がですか?」
045 シンメル 「先週もあなたは、この教会でアーマイゼ様の言葉をお伝えなさったではないですか!」
046 リッペ 「そ、そうですよ!」
047 クヴァレ 「ええ、あの時はまだ神は生きておられました」
048 シンメル 「それじゃあ」
049 クヴァレ 「しかしその次の日、神の容態が急変したのです」
050 シンメル 「そんな急に!?」
051 クヴァレ 「急に変わるから急変と言うのですよ?」
052 シンメル 「それは・・・そうですが」
053 クヴァレ 「そして神は一晩、苦しみ続けて息を引き取りました」
054 シンメル 「そんな・・・ならば残された我々はどうしたらよいのですか!」
055 クヴァレ 「わたくしに聞かれましてもなぁ・・・」
056 リッペ 「・・・クヴァレ司祭」
057 クヴァレ 「なんでしょう?」
058 リッペ 「神は何か仰せられてはいませんでしたか?」
059 クヴァレ 「何か、とは?」
060 リッペ 「なんでもいいです!神は死の直前、何か言ってはいませんでしたか!?」
061 クヴァレ 「えー、確か・・・『おぼっ』と言っていました」
062 リッペ 「・・・・・・は?」
063 クヴァレ 「ですから神は死の直前に『おぼっ』と言って息を引き取りました」
064 リッペ 「か、か、か・・・神の死ぬ瞬間のリアクション!いや、そう言うことではなくて!」
065 クヴァレ 「そう言う事ではないとしたら、つまりどういう事なのですか?」
066 リッペ 「神は生前、我々に対して何かしらのメッセージを残してはいませんでしたか、と聞いているのです!」
067 クヴァレ 「メッセージ・・・メッセージですか・・・」
068 リッペ 「これからはこうやって生きていけ、とか!」
069 クヴァレ 「ないですね」
070 リッペ 「ないんですか!」
071 クヴァレ 「ないですね」
072 シンメル 「ならば我々はこれからどうしたら・・・!」
073 リッペ 「アーマイゼ様のお言葉を無しにこれから生きていかなければならないなんて・・・私には無理よ!」
074 クヴァレ 「心中お察ししますが、ここにいる者は皆同じ気持ちです」
075 シンメル 「アーマイゼ様・・・アーマイゼ様ぁ・・・」
076 リッペ 「う・・・うぅ・・・」
077 クヴァレ 「・・・そこで皆様にわたくしからお聞きしたい事があるのですがよろしいでしょうか」
078 リッペ 「こんな時になんですか!」
079 シンメル 「神が死んだんですよ!あなたの言葉なんて聞いていられません!」
080 クヴァレ 「わたくしはこれからどうしたらよいのでしょうか」
081 シンメル 「知りませんよ!聞くとも言ってないですし!」
082 リッペ 「そうですよ!我々は信ずる神を失ったんですよ!?」
083 クヴァレ 「わたくしなんかその上に職を失いました」
084 シンメル 「それは!・・・確かに大変ですね」
085 クヴァレ 「そうでしょう?」
086 シンメル 「それはまぁ・・・
何も言い返せませんが、でも我々とて困っている事には変わりないんです!察してください!」
087 クヴァレ 「あ、じゃあわたくしが新たな神でどうでしょうか?」
088 シンメル 「は!?」
089 リッペ 「何を仰っているのですかクヴァレ司祭!?」
090 クヴァレ 「我々は神を失い、そして私は同時に職を失いました。
しかし私が神になる事によって皆は神を取り戻し、私は職を取り戻す事が出来、一石二鳥というわけです」
091 シンメル 「いやいやいや!あなたは単なる代弁者じゃないですか!そんな急に神になるとか言われて納得できるわけが」
092 リッペ 「あぁ我らが神クヴァレ様!何卒私たちにお導きの言葉を!」
093 シンメル 「ぇえええ!?あんたそれでいいのか!」
094 クヴァレ 「今日言える事はただ一つ、来週からもこの教会に通いなさい。
そして私の言葉に耳を傾けるのです。そう、神の言葉に」
095 シンメル 「いやあんたそれ単なるおっさんの説教だろうが!」
096 リッペ 「はい!クヴァレ様!」
097 シンメル 「そしてあんたはなんでこんなおっさんを即座に信仰できるんだ!」
098 クヴァレ 「ちなみに来週から神の言葉を聞くにはお金がかかります」
099 シンメル 「早速汚らしいこと言い始めた!」
100 リッペ 「どこまででもついて行きますクヴァレ様!」
101 シンメル 「なにがあんたをそこまで駆り立てるんだ!」
102 クヴァレ 「それでは我がクヴァレ教の教徒達よ、また来週」
103 シンメル 「じ、自分勝手に終わらせやがった!」
104 リッペ 「あぁ、なんと素晴らしいお方なのでしょうクヴァレ様・・・
あ、私はそろそろ帰ります。また来週お会いしましょうね、では」
105 シンメル 「あ、はい・・・あぁ・・・人間ってこうしてダメになっていくんだな・・・・・・クソ」
106 シンメル 「来週から仕事増やさないと」
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